弁護士 山田大仁
医療機関でよくある入院患者との...

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2024.08.28

医療機関でよくある入院患者とのトラブルとは?注意点も解説

医療機関においては、入院患者の受け入れも多く行われています。
もっとも、入院しているからこそのトラブルも様々なものが発生してしまうものです。
本稿では、医療機関でよくある入院患者とのトラブルについて、注意点も併せて解説していきます。

医療機関でよくある入院患者とのトラブルと注意点

入院患者との間では様々なトラブルが発生することがありますが、それに応じて適切な対処を行うことが重要です。
以下、具体的なトラブルの例と注意点を挙げていきます。

自己判断で退院を決めてしまう

症状が快方に向かうと、仕事に行かなければならない、入院生活が嫌になったなどの理由から、入院患者が自己判断で退院を希望する場合は少なくありません。
もっとも、身体が回復しているのは入院治療があってのものであり、勝手に退院してしまうと再び症状は悪化してきます。
注意点として、いつ退院するかは原則として医師が決めるものなので、患者がまだ治っていないのに退院を求めてもそのまま従わないことが重要です。
看護師の場合は医師への確認を求めたり、今の症状が落ち着いているのは治療の効果だと説明したりすることが、医師の場合は患者にしっかりと今の状態について教えることが効果的です。

無断外出をする

自力で動けるようになると、無断外出を行ってしまう入院患者も現れます。
動機としては、一時帰宅を行いたい、喫煙や飲酒をしたい、知人に会いたいなどが考えられます。
注意点としては、無断外出をそのままにしておくと病状の悪化や他人への感染等が懸念されるため、きちんと警告しておく必要があるということが挙げられます。
他の患者に感染する危険性を指摘したり、無断外出によって手術の日程が延びてしまい、結果的に入院が延びてしまう可能性を伝えたりすることが有効です。

セクハラや八つ当たり行為に及ぶ

患者が看護師などに対し、セクハラ行為に及ぶことも多いです。
また、治療行為が気に入らなかったり、治療の成果が出なかったりすると、看護師に対する八つ当たりを行う患者も存在します。
人によっては心に傷を受けることや、勤務に支障が出てしまうことも考えられるため、早めの対処が必要です。
注意点として、このような行為を受けた場合医師への報告をすること、医師の側で弁護士に相談するなどしっかりと法的措置を取ることが重要になります。

医療機関内の画像・動画等をSNSにアップする

医療機関の中には、多くの患者の個人情報が存在します。
そのような情報には、氏名や生年月日、住所などの基本的な個人情報の他にも、どのような病気に罹患しているか、していたか、現在の病状など、医療機関特有も多く含まれます。
これらの情報は、多くの場合他人に知られたくないものであり、決して外部に漏らしてはならないものです。
したがって、入院患者が医療機関内の画像・動画等をSNSにアップする行為は大きな問題になります。
何の気なしに患者がSNSにアップした院内の写真に、個人情報が含まれているトラブルに繋がることもあります。
例えば、入院している部屋の写真を撮影した時に他の患者が映り込んでしまうと、その患者が誰であり、どこの病院に入院しているか、受けている治療の内容や病状などが外部に漏洩してしまう可能性もあります。
注意点としては、入院患者や外来患者に対して注意喚起のための掲示を行うなど、院内での撮影が禁止されていることを明らかにしておく必要があります。
また、患者から撮影をさせるよう要求された場合、院内規則を理由に毅然とした態度で断るべきです。
どうしても言うことを聞かない場合には、やむを得ず退去を命じるなどの措置が必要となることもあります。

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