弁護士 山田大仁
医療過誤が原因で亡くなった場合...

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2024.08.28

医療過誤が原因で亡くなった場合の慰謝料請求は誰ができるの?

医療過誤が原因で死亡事故が起こった場合、亡くなった方のご親族の方が慰謝料請求をしたいとお考えになるのはごく自然なことです。
このような場合に、どの範囲のご親族の方が慰謝料請求をできるのかについては、民法に規定されています。
以下では、医療過誤が原因で亡くなった場合の慰謝料請求は誰ができるのかについて解説いたします。

誰が請求できるのか

医療過誤を原因とする死亡事故が発生した場合に慰謝料請求を行うための法的根拠としては、第一に民法711条が挙げられます。
民法711条は以下のように規定されています。


他人の生命を侵害した者は、被害者の父母、配偶者及び子に対しては、その財産権が侵害されなかった場合においても、損害の賠償をしなければならない。

上記規定から、被害者の「父母」、「配偶者」、「子」がその固有の慰謝料請求をすることができます。
また、判例は、711条に定める者に該当しない者であっても、「被害者との間に本条所定の者と実質的に同視できる身分関係が存在し、被害者の死亡により甚大な精神的苦痛を受けた者」には、同条が類推適用されると判示したものがあります。
本判例では、約20年間被害者と同居して、被害者のもとで生計を維持していた被害者の妹に固有の慰謝料請求が認められています。第二に、医療過誤を原因とする死亡事故が発生した場合に慰謝料請求を行うための法的根拠としては、民法710条が挙げられます。

民法710条は以下のように規定されています。

他人の身体、自由若しくは名誉を侵害した場合又は他人の財産権を侵害した場合のいずれであるかを問わず、前条の規定により損害賠償の責任を負う者は、財産以外の損害に対しても、その賠償をしなければならない。

上記規定のいう「財産以外の損害」に被害者本人が被った精神的苦痛に対する慰謝料が含まれます。
そして、本条は、医療過誤を原因として死亡した被害者本人の方固有の損害賠償請求権です。
もっとも、判例は、被害者固有の慰謝料請求権も相続されるとしていますので、被害者の方の相続人の方は被害者固有の損害賠償請求権を行使して慰謝料請求をすることができます。
被害者の方の相続人に該当する方としては、被害者の配偶者、子が挙げられます。
さらに、子がいない場合には、被害者の直系尊属(例えば、父母)、兄弟姉妹が相続人となり得ます。

医療過誤に関する調査費用

上記のような慰謝料請求をするに際しては、医療過誤が不法行為(民法709条)に該当する必要があります。
そのため、慰謝料請求をするためには医療従事者の「過失」を立証することが必要となります。
「過失」の立証は、法的判断が伴い、かつ、証拠を保全したりする必要が生じることが多いため、弁護士に相談することが有用です。
この「過失」の調査について弁護士に依頼した場合には、調査費用が発生します。
調査費用は、法律事務所によって異なりますが、医療過誤事件への対応は高度な専門知識を必要としますので、医療過誤事件に強い弁護士にご相談されることをおすすめします。

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