医療過誤の和解金の相場はいくら?
和解金とは、和解を成立させるためにトラブルの当事者間で支払われるお金を指します。
医療過誤が発生した場合においても、被害患者側と医療機関側が和解金を支払って医療過誤に関する紛争を終結させるという事案も多々あります。
本稿では、医療過誤の和解金の相場などについて解説いたします。
医療過誤の和解金とは
和解金の支払いにより和解が成立することで、当事者は裁判手続きのために多くの時間や労力、費用を費やすことなくトラブルを解決させることができるというメリットがあります。
そうした意味から、具体的な和解金は裁判をした場合に相手方へ請求できる損害の賠償金を基準に決定していくこととなります。
医療過誤の和解金についても、もし医療過誤で裁判をした場合どのような項目でどれくらいの賠償金を医療機関に対して請求できるのかという基準をもとに、和解金を計算していくこととなります。
医療過誤の賠償金に含まれる損害とは?相場は?
そして、医療過誤の賠償項目としては主に、①積極損害、②休業損害、③逸失利益、④慰謝料の4つが挙げられます。
①積極損害
積極損害とは、主に医療過誤のために実際に支払った費用を指します。
具体的には、医療過誤によって負った傷病を治療するために要した治療費や、入通院のための交通費、付き添い費用などがこれに当たります。
②休業損害
休業損害とは、医療過誤により負った傷病が原因で仕事を休まざるを得なくなった場合、休業によって得られなくなった収入を指します。
会社に勤める方であれば、実際に支払われてきた過去の給料をもとに損害を算定することが可能です。
自営業をされている方であれば過去の確定申告における収入をもとに、損害を算定していくこととなります。
③逸失利益
逸失利益とは、医療過誤によって負った傷病が後遺症となった場合に、もし後遺症が発生せずにこれまで通り働けていた場合に得られたであろう収入と比較し算出される、後遺症によって失った利益を指します。
後遺障害による逸失利益については、「基礎収入×労働能力喪失率×労働能力喪失期間の年数に対応する中間利息の控除に関するライプニッツ係数」という計算式により算出されることが一般的です。
計算式における「労働能力喪失率」は、発生した後遺症の程度に応じて1級から14級まで症状の等級が割り振られますが、その等級に応じて100%から5%まで定められています。
④慰謝料とその相場
慰謝料としては、入通院による慰謝料や、後遺障害による慰謝料、死亡慰謝料等が認められています。
慰謝料は被害者の精神的損害に対して支払われるものであるため、実費などの具体的な基準が存在せず、これまでの裁判例による大まかな相場に基づいて賠償金を定めていくこととなります。
具体的には、裁判所が用いる基準であれば、後遺障害1級であれば2800万円、7級であれば1000万円、14級であれば110万円とされています。
医療過誤の和解金に関してお悩みの方は、弁護士 山田大仁にご相談ください
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弁護士 山田大仁は、宮城県を中心に福島県・山形県・岩手県の各県からも法律相談等のご依頼を受け付けております。
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