患者や家族から医療過誤と主張された際の対応とは?
患者や家族から医療過誤ではないかと主張された場合、病院側は迅速かつ適切な初期対応を講じる必要があります。
不適切な対応は事態の悪化を招き、病院の信用やその後の法的手続きにおいて大きな不利益をもたらす要因になりかねません。
本記事では、医療過誤を主張された際にとるべき現場の対応について解説します。
医療過誤を疑われた際の初期対応
医療過誤が主張された際には、まず、客観的な事実関係の把握と医療記録の保全を実施してください。
患者側が主張する検査・処置等に関する不満や指摘を踏まえ、当時のカルテや看護記録、検査データなどをそのままの状態で速やかに確認します。
電子カルテ化が進んでいるため記録修正の履歴が残る病院がほとんどでしょうが、この段階で不安や保身のために記録を書き換えたり破棄したりは絶対にしないでください。
後に改ざん等が判明した場合、それ自体が不法行為を構成するとされたり、事実上、病院側の責任が推認されたりして、多大な不利益を被る原因となります。
まずは組織全体で客観的な時系列の経過を整理し、何が起きたのかを正確に把握・共有しましょう。
患者側への説明における留意事項
感情的になっている患者や家族への説明では、対話の進め方に細心の注意を払う必要があります。
患者側にまずすべきことは、望まない結果が生じたことに対して事実経過を調査・説明する旨の態度表明です。
事実関係の調査が完了していない段階で、不用意に謝罪することは避けてください。
曖昧な説明や説明の変遷、不適切な一言等が、後に責任を認めたかのような誤解を招きかねないためです。
説明の場を設ける際は、医師がひとりで対応するのではなく、事務長などの事務方の責任者を同席させてください。
また、患者側は秘密録音をすることも多いため、病院側も発言の内容を録音してください。
双方録音しましょうと促してもかまいません。
録音されることを双方が明確に認識することで患者側の感情的な糾弾を抑止したり、不用意な発言を避けたりすることにもつながります。
早期に専門の弁護士へ相談するメリット
医療過誤を巡るトラブルが発生した場合は、できるだけ早い段階で医療訴訟に精通した弁護士に相談することが大切です。
患者側が裁判所の証拠保全手続を利用してカルテなどを確保しに来ることもありますが、そうした対応を見据え、専門的な見地から随時適切なアドバイスを受けることができます。
弁護士に委任すべきかどうかはケースバイケースですが、弁護士に対応の窓口を一本化すれば、患者側への直接の説明・折衝の段階が終わり、平行線の状態を脱することになり、担当者の精神的な負担を大幅に軽減することが可能です。
それにより、医療機関が過度な主張・抗議に振り回されることなく、通常診療に専念できる環境を守ることにつながります。
初期段階から専門家がサポートすることで、法的な証拠の評価や和解の可能性の判断を的確に行い、合理的な解決を目指せるでしょう。
なお、弁護士に委任をせず、医療機関自ら調停やADRといった第三者を介した協議の場を設定することも可能です。
第三者の介在により、事実経過や主張・評価の相違点が明確化され、紛争が収束していくことが期待できます。
まとめ
患者側から医療過誤を訴えられた際は、迅速な事実確認と記録保全、慎重な説明、専門家への早期の相談が最善の対応策となります。
不適切な初動や問題の抱え込みは事態を深刻化させる原因となるため、客観的な証拠を揃えて冷静に対応する体制を整えることが大切です。
患者側から医療過誤の指摘があった場合には、速やかに弁護士に相談することをおすすめします。